長谷川栄雅とは

私たちがこの酒で本当に届けたいものは、
「至高の旨さ」だけではない。
日本の美しさや豊かさに触れる、
特別な喜びと体験である。

水と米に恵まれた播州の地で、
三百五十年にわたり伝統を守り、
磨き続けてきた長谷川家の酒づくり。
その技の粋を尽くし、人への想いを尽くし、
日本酒というかたちで「日本の美」を追求する。

この国にある礼節を重んじる心、
自然を慈しみながら生きるたくましさや知恵、
美しさへの豊かな感受性。

そのすべてを一滴一滴に込めていく。
胸の奥底に響く豊かな味わいが、
美しい時間と空間をもたらし、
日々をより美しいものにすることを願って。

長谷川栄雅の想いについて
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酒造りのこだわり

無垢な旨さだけを取り出す、袋搾り。

もろみから日本酒を搾る方法として、
最も一般的なものは、機械による搾りである。
搾り終わるまでの時間が早く、大量に搾ることができる。
一方、長谷川栄雅は、袋搾りという方法にこだわっている。
酒袋にもろみを詰め、吊るす。
袋から染み出し、したたり落ちる一滴一滴を集めていく。
重力以外の力を一切加えないため、
生きている酵母にストレスを与えることなく、
無垢な味わいだけを抽出することができる。
しかし、この方法では量を確保することは難しい。
効率ではなく、日本酒づくりの深淵を追求する。
袋搾りに、長谷川栄雅の本質が表れている。

蓋麹法という名の、伝統の技。

酒質を決定づける麹づくりは、
日本酒づくりの中でも最も重要な工程のひとつ。
鍵を握るのは、温度と湿度の巧みな調律。
麹菌の生命力を米の一粒一粒に行き渡らせていく作業である。
長谷川栄雅が用いたのは、古くから伝わる「蓋麹法」。
米を小分けに盛った木製の麹蓋を積み重ね、温度を調節する。
米の温度の微妙な変化に神経を注ぎ、2~3時間おきに積み直す。
一晩中繰り返される手間のかかる作業によって、
繊細な味と香りが引き出される。
長谷川栄雅のために現代に生きる技。
体力と技術を要する蓋麹法を受け継ぐ者は、
今日わずかしかいない。

特A地区で生産される、最上の山田錦。

日本酒づくりは、米づくりから始まる。
山田錦は、酒米の最高峰であるとともに、
栽培が非常に難しい品種として知られている。
背丈が高く粒が大きいため、雨風によって倒れやすい。
また、長所である心白を大きく育てるためには、
寒暖差の大きな圃場が必要とされ、
生産者は過酷な作業が強いられる。
長谷川栄雅が使用するのは、特A地区に指定されている、
兵庫県加東市小沢地区で生産される山田錦。
特A地区とは、山田錦の中でも特に優れた米を生産する、
ごく限られた地区である。
小沢地区の圃場は、水持ちの良い粘土質で昼夜の温度差があり、
山田錦にとって理想の条件が揃っているが、
ここに人の情熱が加わってはじめて、最上と呼ぶにふさわしい米が生まれる。
希少な山田錦を贅沢に使う長谷川栄雅の日本酒づくりは、
契約農家の方々の労に支えられている。

水に選ばれし蔵元。

水は酒質を左右する要因のひとつであり、
蔵元の個性を決定づける。
長谷川栄雅を醸すのは、
名勝「鹿ヶ壺」を源流とする揖保川系林田川の伏流水。
甘みのある軟水で、柔らかな口当たりの酒を生み出す。
技術や情熱だけでは日本酒づくりを続けることはできない。
豊かな森や土壌が時をかけて磨き上げた良質な水があってこそ。
長谷川栄雅もまた、大自然の恵みの
ひとつであると言っても過言ではないだろう。

350年かけた、技術の取捨選択。

銘柄の由来ともなっている長谷川栄雅が
播州の地で酒づくりを始めたのは、寛文6年(1666年)のことである。
以来、350年に渡り受け継がれてきた日本酒づくり。
その歴史の中で行われてきたのは、壮大な取捨選択。
時代の変化から生まれてくる様々な技術を見極め、
良い部分だけを抽出し、次の世代へとつないでいく。
350年におよぶ経験によって研ぎ澄まされてきた
日本酒づくりの技が、長谷川栄雅に活きている。

すべての工程に、
日本の技と経験が活きている。

長谷川栄雅の酒造りについて
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寛文6年(1666年)、
歴史はここから始まった。

長谷川家の歴史について
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